【日本に馴染む職務型人事賃金制度】第7回 導入すべき制度の全体像(3) 育成期経て完全切替 管理職は柔軟な異動減る/柴田 彰
2020.02.20
【労働新聞】
どこから勝負の時期か
今後、日本企業が導入をしていくべき職務型の人事賃金制度の姿を見通していく上で、日本型の雇用制度がこれからどのように変わっていくのかを考察する必要がある。前回は、日本的な人事慣行の1つの特徴である新卒一括採用について、焦点を当てて論じた。今回は、人事運用の本丸ともいうべき昇進や登用、即ち配置のあり方を通じて、日本企業に適した職務型制度の形を考えていきたい。
昇進や登用について論じる際には、いつまでが社員の育成期間か考え、どこから勝負の時期と位置付けるかを検討する必要がある。仕事の経験がない新卒学生を採用したら、通常は即戦力とはみなさずに、一定の期間をかけて一人前の職業人に育て上げなければならない。短兵急に結果を求めず、まずは色々とやらせてみて、仕事に慣れることに重きを置いて習熟度を高めていく。この育成期間には、若手社員に仕事を覚えさせる目的だけではなく、個々人の仕事適性を見極める目的もある。そのため、1つの仕事に限定することなく、できるだけ複数の業務ラインや部署を経験させて、一人ひとりの向き不向きを判断しようと人事異動をかける。…
筆者:コーン・フェリー・ジャパン㈱ シニア クライアント パートナー 柴田 彰
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令和2年2月24日第3246号13面 掲載