【裁判例が語る安全衛生最新事情】第340回 ディーソルNSP事件 過労自殺で支援要員拒否に過失相殺 福岡地裁平成30年12月11日判決
2020.03.10
【安全スタッフ】
Ⅰ 事件の概要
亡Aは被告Y1社にシステムエンジニアとして勤務していた。原告X1、X2はその両親である。
被告Y2は、Y1社の親会社であるが、取引先から請負ったソフトウェア開発請負販売を目的としており、Y2社は、主として、東京で、Y1から受託したソフトウェア開発の業務の下請けをしていた。
Y2社が請負ったB社の新営業所システム開発の一部をY1社が請け負い、亡Aはその担当となり、東京で単身で暮らして、B社の事業所に赴き、各プログラムのシステム試験に立ち会い、システムの不具合を修正する業務に従事していた。なお、B社の担当者はE課長であり、Y2社の担当者FもB社の事業所に来ていた。
亡Aは、適応障害を発症して、平成25年4月11日、マンションから飛び降り自殺をした。労働基準監督署長は自殺を業務上災害として認めた。原告X1、X2は、被告をY1社、Y2社として不法行為により損害賠償請求訴訟を提起した。
Ⅱ 判決の要旨
1、長時間労働
亡Aの時間外労働時間は、…
執筆:弁護士 外井 浩志
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2020年3月15日第2350号 掲載