【日本に馴染む職務型人事賃金制度】第15回 欠かせない4つのテーマ(2) 組織設計の知見必要 人事部門も能力改革へ/柴田 彰
2020.04.16
【労働新聞】
職能型とは役割変わる
前回は、職務型人事賃金制度を日本企業に馴染ませるうえで、真剣に取り組まなければならない重要テーマを4つ挙げた。「①経営陣の理解と関与」「②人事部門の能力」「③組織設計のガバナンス」「④人材の絶対評価」の4つである。今回は「②人事部門の能力」について、論じていきたい。
従来の職能型制度の下では、人事部門には「調整力」と「労務管理業務の専門性」が高く求められる傾向にあった。職能型制度では、社員の昇格や異動が年功的に行われることが大半であり、多くの場合は暗黙のルールが存在する。加えて、各部門から昇格と異動の案が上がってきて、全体をみながら人事部門が調整して最終化するプロセスが一般的である。そこで人事部門に期待されるのは、暗黙のルールに則りつつ、ある部門に偏ることなく全体のバランスを取ることである。従って、社内調整力が人事部門にとって重要な能力となる。
また、労務管理業務に関する専門的な知識も欠かせないものだ。…
筆者:コーン・フェリー・ジャパン㈱ シニア クライアント パートナー 柴田 彰
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令和2年4月27日第3254号13面 掲載