【企業活力生み出す副業・兼業運用術】第9回 1カ月単位の変形労働時間制 先契約者が優先に どこまで所定か判断で/田村 裕一郎・井上 紗和子
2020.05.28
【労働新聞】
定められた時間へ合算
本稿では、1カ月単位の変形労働時間制(以下、変形労働時間制)における労働時間の通算と、割増賃金の支払いといった労基法上の義務について解説する。 具体例として、本業先A(先契約者)が変形労働時間制、副業先B(後契約者)が1日の所定労働時間1時間の通常の労働時間制を採用し、図のように所定労働時間(定めた時間)を設定して働かせた2020年6月のケースを用いる(同月のA、Bの所定労働日は月~金の22日)。
まず、A視点である。前提として、変形労働時間制の時間外労働の算定方法は図の右側のとおりであり、図のケースで仮に労働者が副業をしていないとすれば、Aで時間外労働とされるのは、①1日単位では、5、12日の残業の最後1時間と、18~19、25~26日の残業各1時間のみとなる(②1週間単位、③1カ月単位は該当なし)。…
筆者:多湖・岩田・田村法律事務所 弁護士 田村 裕一郎・井上 紗和子
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令和2年6月1日第3259号11面 掲載