【人事学望見】第1247回 雇止めの合理性いかに 臨時性強く反復更新効果認めず
2020.06.25
【労働新聞】
厚労省では、有期労働契約に関する裁判例を①純粋有期契約タイプ②実質無期契約タイプ③期待保護(反復更新)タイプ④期待保護(継続特約)タイプの4つに分けて分析している。このうち、雇止めがかなり認められているのは、①および②のタイプが多い。
解雇法理の類推適用ムリ
ここでは代表的な判例を紹介してみよう。雇用継続への合理的な期待が認められるとされ、その理由として相当程度の反復更新の実態が挙げられているのは日立メディコ事件(最一小昭61・12・4)である。
事件のあらまし
Y社では、景気後退に伴う受注変動に応じて雇用量の調整を図る目的で臨時員制度を設けており、その採用に当たっては、試験は実施せず、健康状態や経歴等を尋ねるのみの簡単な面接を行って採用を決定していた。Aは臨時員として採用され、契約期間2カ月の労働契約を5回更新された後、更新拒否(雇止め)されたため、労働契約は期間の定めのないものであることを前提に、契約の更新拒否は解雇にほかならず、権利の濫用であると主張し、労働契約上の地位確認等を求めて提訴した。
第一審はAの請求を認容したが、第二審は雇止めを適法としたため上告した。…
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令和2年7月6日第3263号12面 掲載