【企業活力生み出す副業・兼業運用術】第15回 労災保険法の改正 時間外通算し判断へ 脳・心臓疾患等の認定で/田村 裕一郎・井上 紗和子
2020.07.09
【労働新聞】
合算し給付基礎日額算定
第1回で、副業を認める際の特筆すべき留意点として、労働時間管理、健康確保、企業秘密等の流出・流入の防止の3点があると述べた。今回から健康確保について解説する。
労働者の副業に対する懸念事項として、労働時間が長くなり、過重労働が慢性化しかねないことが挙げられる。労働時間が長くなれば、脳・心臓疾患や精神障害に罹患する可能性が高まる。たとえば、脳・心臓疾患の労災認定基準では、時間外労働(本稿では、週40時間を超える労働時間をいう)が発症前1カ月間におおむね100時間を超える場合、または発症前2~6カ間月平均で月当たりおおむね80時間を超える場合などには、業務と脳・心臓疾患の発症との関連性は強いとされている。
これに関連する第1の問題点は、同基準の適用について、本業先と副業先で…
筆者:多湖・岩田・田村法律事務所 弁護士 田村 裕一郎・井上 紗和子
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令和2年7月20日第3265号11面 掲載