【特別寄稿】あなどるなかれ!高さ1mが危ない テールゲートリフターからの転落 重傷につながる恐れ/大西 明宏
トラックの荷役装置として不可欠なテールゲートリフター。転落や転倒による労働災害が意外と多く起こっており、1m程度の高さであっても落下すれば致命傷になるケースもある。ドライバー自身が適切な使用方法を知ることが重要と労働安全衛生総合研究所の大西明宏上席研究員はいう。作業スペースの確保、立ち位置、適切な保護具や転落防止柵の活用など、災害防止のポイントを解説してもらった。
作業者が転落して死亡する例も
テールゲートリフター(以下、TGL)とはトラック荷台の後部に架装されている荷役省力装置のことです。現場での呼び名は製品名の「パワーゲート®」であったり、「リフト」や「ゲート車」だったりと多くあります。
TGLメーカーである極東開発工業の40年史によると、1963年ごろから2~3トントラック向けの開発が始まったこと、それより前から川西モーターサービスが1トンタイプを生産していたことが記されていますので、かなり昔から市販されていたようです。それ以降TGLを使った作業は広く普及し、写真1のように路上に停車したトラックの荷台から商品が積まれたロールボックスパレット(以下、RBP)を地面まで移動する場面は日常的な光景となっています。TGLで扱う荷は他にも、スーパーマーケットでよく使われているカートラック(4輪または6輪の長台車)、プロパンガスなどのボンベ類、夜間の道路工事で見かける投光器や引越し荷物などがあり、今日の物流には欠かせない存在となっています。
このようにTGLは荷役作業において不可欠な存在なのですが、その一方でTGLのプラットホーム(以下、ホーム)上のRBP移動時に作業者が転落し、落ちてきたRBPの下敷きによる死亡災害が報告されていますので、危険と背中合わせの作業になっているようです…
執筆:(独)労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
リスク管理研究グループ 大西 明宏
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