【人事学望見】第1253回 頼りになるか競業避止義務 職業選択の自由にカブト脱ぐ!?
2020.08.20
【労働新聞】
競業避止義務とは、使用者と競業する業務を行わない義務をいう。自ら競業事業を起こすことのみならず、競業他社への就職も競業避止義務違反となる。在職者は当然ながら、退職者についても職業選択の自由との兼ね合いが微妙だが、係争事例は数多くある。
力持たない誓約書で合意
有料職業紹介を営む会社が、競業禁止の誓約書に反して同業他社に転職した従業員に対し、100万円の損害賠償を求めて争いになったのは、リンクスタッフ元従業員事件(大阪地判平28・7・14)である。
事件のあらまし
Y社の従業員だったAは、退職後3年間は同業他社に就職しないことなどを内容とする「競業禁止の合意」があったにもかかわらず、平成23年9月1日にY社の元従業員だったBが設立したばかりのZ社に就職した。
Y社は、病院等の職業あっ旋を営む法人で、Aは平成23年1月4日から同24年1月27日まで就労し、その後同24年2月1日からZ社で就労している。なお、Aは、…
この記事の全文は、労働新聞の定期購読者様のみご覧いただけます。
▶定期購読のご案内はこちら
この連載を見る:
令和2年8月24日第3269号12面 掲載