【人事学望見】第1254回 年休取得にまつわる話 事後請求して欠勤を消せるのか
2020.08.27
【労働新聞】
厚労省の平成31年「就労条件総合調査」から年休の取得状況をみると、取得率は、52.4%で前年(51.1%)を1.3ポイント上回った。4年連続して上昇したというが、付与数の半分しか取得していないにもかかわらず、「結構取っているんだなあ」というのが正直な感想である。
時季変更権 行使余地なし
年休取得にまつわる問題として、重箱の隅を楊枝でほじくってみると意外なトラブルが明らかになった。東京貯金事務センター事件(東京地判平5・3・4)は、欠勤した日を「事後的」に年休へ振り替えるよう請求したことがトラブルへ発展した。
事件のあらまし
Aは、4回にわたる遅刻および勤務時間中の組合事務室入室によって、合計52分の欠務があったとして、1時間分の賃金を減額された。
Aは、各遅刻はいずれも通勤に利用している電車の遅延によるものであるから特別休暇または年休として処理されるべきものであるとし、減額された賃金の支払いを求めるとともに、訓告を受けたのは違法である、と慰謝料を請求した。…
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令和2年8月31日第3270号12面 掲載