【人事学望見】第1255回 試用期間延長と合理性 長期過ぎるのは公序良俗違反に
2020.09.03
【労働新聞】
労基法20条には「入社から14日以内に解雇する場合には、予告手当の支払いは必要ない」とされているが、法律上はともかく、一般には試用期間として3カ月くらいを見込み、この間に社員としての適格性を見極め、正社員登用を決める。この試用期間をめぐる係争は多い。
解雇ひどい 本人責任なし
試用期間中の解雇は、正社員の解雇より幅広く認められるという認識のもとに不安定な身分のまま期間を長くとれば、公序良俗違反を問われてしまう。ブラザー工業事件(名古屋地判昭59・3・23)は、長さをめぐる代表的判例といわれている。
事件のあらまし
Y社の従業員は、社員、試用社員、見習社員、準社員、嘱託の5種類があった。Aは、見習社員として雇用され、翌年3月実施の試用社員登用試験に合格した。試用社員に登用されたが、その後実施された3回の社員登用試験にいずれも不合格となり、就業規則の定めにより解雇された。Aは解雇は無効であるとし、地位保全等を求め仮処分申請を提起した。…
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令和2年9月7日第3271号12面 掲載