【新型コロナを乗り切る!産業保健と働き方改革】第10回 働き方改革関連法① 残業上限規制を新設 健康への悪影響防ぐため/石澤 哲郎
2020.09.10
【労働新聞】
これまでは“青天井”
2019年4月より順次施行されている働き方改革関連法は、多様な働き方を選択できる社会を実現することを目的とした、70年ぶりの労働法の大改正である。様ざまな規制や制度変更が盛り込まれているが、今回はとくに重要な点に絞って解説する。
働き方改革関連法の最も重要なポイントは、時間外労働の上限規制導入である。日本の法律では法定労働時間が週40時間と定められており、それを超える残業は原則違法である(労働基準法32条1項)。しかし同法36条に定められている36協定を結べば、月45時間までの時間外労働は合法となる。さらに特別条項も定めることで、年6回までは時間外労働のさらなる延長が可能である。従来は特別条項に上限の定めがなかったため、理論上は青天井で残業をさせても違法ではなかった。
しかし、長時間労働が健康に及ぼす悪影響が明らかになり、社会的にも労働時間の上限規制が強く求められるようになった。これを受けた本改正により特別条項の上限時間が設けられ、時間外労働は最大で月100時間未満、年間720時間までに制限されることになった(図)。…
筆者:産業医事務所 セントラルメディカルサポート 代表 石澤 哲郎
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令和2年9月14日第3272号13面 掲載