【ぶれい考】「制約社員」を考える/守島 基博
2020.10.01
【労働新聞】
「制約社員」とは、通常、従事する仕事内容や場所などの条件について、何らかの制約を持つ社員の呼称である。たとえば、障がいなどがあり、従事できる仕事や時間、場所などについて、制約を持つ働き手である。最近は、家族の介護や子育てなど、特定の時間帯や場所でしか勤務できない労働者も入るようになり、さらには、高齢であることも、時にカウントされるようになってきた。
でも、なぜこれらは「制約」なのだろうか。端的にいえば、それは、全く制約のない働き方が「標準」だからである。言い換えれば、「いつでも、どこでも、どんな仕事でも、どんな長時間でも」という働き方が可能な、いわゆる「無限定社員」が標準で、なんらかの制約がある社員は、無限定な働き方ができないという意味で、「制約付き」とみなされるのである。
でも、私には、…
筆者:学習院大学 経済学部経営学科教授 守島 基博
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令和2年10月5日第3275号5面 掲載