【働き方が変わる雇用保険法等改正法】第14回 労働移動と失業抑制 マッチング強化が課題 成熟産業で雇用調整進む/阿部 正浩

2020.10.15 【労働新聞】
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産業構造変化し失業発生

 失業対策は労働市場政策において最も重要な政策だ。現下のコロナ禍でも失業抑制のため、政府は雇用調整助成金の特例措置を、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金と併せて実施している。

 9月11日までの累積で119万8126件の支給申請があり、うち105万8578件が支給決定され、約1兆3千5百億円の助成金が支給されている(厚生労働省資料)。これで休業を実施する企業が増え、一定の失業予防につながった。今年7月の失業率は、3月と比較して0.2%ポイント上がった2.9%で収まっている(総務省統計局「労働力調査」)。

 ところで、失業は発生要因によって次の四つに分けられる。景気悪化が原因で生じる循環的失業、職探しに時間がかかるために生じる摩擦的失業、産業や職業の構造が変化することで生じる構造的失業、そして財・サービス需要の季節性によって生じる季節的失業だ。

第二次産業で就業者減少

 失業対策としてまず思い浮かぶのは景気刺激策だが、…

筆者:中央大学経済学部 教授 阿部 正浩

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令和2年10月19日第3277号6面 掲載
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