【働き方が変わる雇用保険法等改正法】第20回 育児休業給付資金の創設 保険財政悪化を回避へ 料率は1000分の4に/阿部 正浩
2020.11.26
【労働新聞】
景気悪化で求職者給付増
今回の改正では、雇用保険制度の財政運営に係る見直しも行われている。その1つが育児休業給付資金の創設である。
雇用保険制度は、失業等給付資金と雇用保険二事業、付帯事業として就職支援法事業からなる。このうち失業等給付は、労働者が失業した際に就職を促進するための求職者給付や就職促進給付金、労働者の能力開発促進のための教育訓練給付、そして介護休業や育児休業など雇用継続の困難を緩和するための雇用継続給付からなる。
図は、2009年度から失業等給付額の推移をみたものだ。失業等給付の合計額は、リーマン・ショック後の09年が最も高く、その後は一旦減少するが、14年頃から上昇に転じている。これには、求職者給付と育児休業給付という2つの要因が主に影響している。…
筆者:中央大学経済学部 教授 阿部 正浩
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令和2年12月7日第3283号6面 掲載