【元監督官が明かす!!送検・監督のリスク管理 事例徹底分析】第12回 年休付与義務違反 賃金支払いで明暗 危険性低減のポイントに/西脇 巧
2020.12.17
【労働新聞】
半年間で5回の請求拒否し処分
厚生労働省のまとめた令和2年の就労条件総合調査によれば、平成31年・令和元年の年間の年次有給休暇(以下「年休」)の平均取得率は56.3%と前年より3.9ポイント上昇し、過去最高になった。しかし、令和2年までに同取得率を70%とする政府目標とは大きな乖離があり、達成が困難な状況となっている。
年休の取得が低調な理由としては、「労働者による取得へのためらいが原因」とのデータがある(令和元年度「仕事と生活の調和」実現及び特別な休暇制度の普及促進に関する意識調査)。一方で、人手不足で代替要員の確保が難しいことを理由に、使用者が年休取得を認めない、あるいは、従業員が年休を取得しているにもかかわらず賃金を支給しない事案がある。なかには、表1のように労働基準監督署(以下「労基署」)により送検されている事例も見受けられる。…
筆者:TMI総合法律事務所 弁護士 西脇 巧
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令和2年12月28日第3286号11面 掲載