【社労士が教える労災認定の境界線】第321回 取締役が工場内で金属片掃除中に負傷
2021.01.05
【安全スタッフ】
災害のあらまし
法人の事業主の同居の親族である取締役が、自社工場内で、就業時間中、金属破片のゴミを厚手のゴム手袋をはめてゴミ箱に入れる作業を一人でしていたところ、ゴム手袋が破れて、左手親指から手のひらにかけて切創し負傷した。
判断
本事案では、法人の他の取締役・監査役は特別加入していたが、当該取締役一人だけが特別加入していなかった。手続きを行ってから数カ月後に、労働基準監督署から業務執行権がないことを証明する書類の提出を求められた。勤務実態の聞き取り調査と併せて、雇用保険兼務役員実態証明書の承認を受けた書類や定款などを提出した結果、労働者と判断され業務上の災害となった。
解説
労災保険法には労働者の定義はないが、…
執筆:一般社団法人SRアップ21 京都会
労務管理オフィス藤木 所長 藤木 美能里
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2021年1月1日第2369号 掲載