『企業経営と固定残業代制度』の連載記事

2020.03.19 【労働新聞】
【企業経営と固定残業代制度】最終回 裁判と実務対応 避けたい後続訴訟誘発 中小は死活問題に発展も/横山 直樹

 労働関係の訴訟には、①事実関係が主要な争点になるもの(解雇、安全配慮義務違反など)と、②法的評価が主要な争点になるもの(管理監督者性など)があり、固定残業代の訴訟は後者に属する。後者の特性は、判決に至り、無効との判断が示されると、判決の効果は他の従業員には直接及ばないが(民訴法115条1項)、事実上、上記の判断を前提にした後続訴訟の提起……[続きを読む]

2020.03.12 【労働新聞】
【企業経営と固定残業代制度】第10回 労働時間管理 調査して時間数決定を 合意基礎付ける事実に/横山 直樹

 訴訟で固定残業代制の有効性を否定されず、かつ労基法37条の不払いがないようにするには、企業における労働時間の調査とその固定残業代制度への反映の繰返しが必須である。  固定残業代は、労基法37条の割増賃金の支給であるので、時間を金額に引き直した場合に同条の金額と、固定残業代の額の乖離が大きいと対価としての性質が弱くなる、換言すれば他の性質……[続きを読む]

2020.03.05 【労働新聞】
【企業経営と固定残業代制度】第9回 役職手当~クルーガーG事件~ 訴訟発展考えて備えを 管理職の層ごとに対応策/横山 直樹

 管理職層について、労基法41条2号の管理監督者として扱い、地位、職務、権限、責任などの対価として役職手当を支給することがある。  企業において同条の管理監督者として処遇してきたが、訴訟になって該当しないと判断され労基法37条に割増賃金の支払義務を負う際、当該従業員についてそれまで支払われてきた役職手当などについて、これを割増賃金として充……[続きを読む]

2020.02.27 【労働新聞】
【企業経営と固定残業代制度】第8回 高所得労働者との関係~康心会事件~ 「年俸の内訳」は明示を 年収高い場合など要注意/横山 直樹

 管理監督者(労基法41条2号)、労働時間がみなされる裁量労働制の適用を受ける社員(同法38条の3、38条の4)および高度プロフェッショナル制度(労基法41条の2)以外の一般社員に年俸制を適用した場合は、労働時間管理を行い労基法37条に従い割増賃金の支払義務を負う。この場合に年俸の一定額を固定残業代として設定することがある。  「年収が高……[続きを読む]

2020.02.20 【労働新聞】
【企業経営と固定残業代制度】第7回 同意との関係~ビーダッシュ事件~ 企業に厳しい判決続く 情報提供して同意取得を/横山 直樹

 国際自動車事件以降、固定残業代の有効性を肯定する事案が増えたためか、固定残業代は不利益変更(労働契約法10条)の点からも争われる事案が増えてきた。入社後に制度が導入されたような場合は不利益変更の問題になる。一方、導入後に入社したケースでは、合理性(労契法6、7条)の問題になるが、これは同法10条に比して有効性のハードルが低いためか争点と……[続きを読む]

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