『本バンザイ!!』の連載記事

2014.03.03 【労働新聞】
【本バンザイ!!】瞬間切り取り職人・万太郎に乾杯/鷲尾 賢也

 事典風に書くと、久保田万太郎は次のようになる。 小説家・劇作家・俳人。俳号傘雨。浅草に生まれ、江戸下町の情緒と義理人情を描いて、独自の作風を築いた。代表作に戯曲「大寺学校」、小説「末泥」、などがある。 文化勲章も受賞し、文学全集には必ず収録される作家だ。しかし、いまそれほど人口に膾炙している作家とはいいにくい。はっきり言えば、忘れられて……[続きを読む]

2014.02.24 【労働新聞】
【本バンザイ!!】社会福祉に貢献できる五七五七七/鷲尾 賢也

 社会福祉法人・宮崎県社会福祉協議会から、『老いて歌おう』2013年度版が送られてきた。  本書は、介護や支援をうけている高齢者、またその高齢者を支える家族、施設職員らの作品を全国各地から募集して1冊に集めたものである(本年は4496首の応募があったという)。いわば、「高齢者の万葉集」といってもいい。もうこれで12冊目になる。今年の最優秀……[続きを読む]

2014.02.17 【労働新聞】
【本バンザイ!!】時間のあるときに「塩野七生」を/鷲尾 賢也

 暮れから正月にかけて、塩野七生著『皇帝フリードリッヒ二世の生涯』(新潮社)が書店店頭にうず高く積まれていた。多くの人が手に取っていた。それほど知られているとは思えない人物を書名にしたもので、しかも大著(上下2冊)。定価も決して安くない(本体・各2400円)。 かなりの売れ行きだった。ビジネスマン風の男性が、次々と購入していく。おそらく正……[続きを読む]

2014.02.10 【労働新聞】
【本バンザイ!!】万年筆で書いた手紙を送ろう/鷲尾 賢也

 パソコンやケイタイの普及によって、手紙がずいぶん減ってきた。メールによる連絡が圧倒的に多い。早いからである。しかし、手紙やはがきをもらうと、メールとは違う温かみを感じる。なかでも手書きは、心に沁みる。何故なのだろうか。 リタイアしたとき、一通の封書をいただいたことがある。在職中は特別に親しい関係ではなかった著者であった。しかし、万年筆で……[続きを読む]

2014.02.03 【労働新聞】
【本バンザイ!!】”芥川賞・直木賞”狂想曲の調べ/鷲尾 賢也

 いつ頃からだろうか、こんなふうに芥川賞・直木賞が騒がれるようになったのは。発表前から、競馬新聞のように◎○▲△という予想がささやかれる。新聞社文化部は、その10日ぐらい前から、臨戦態勢になる。文芸担当以外の記者も動員される。その頃に電話などしても、みな気が立っている。いやはや、である。…筆者:鷲尾 賢也[続きを読む]

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