『裁判例が語る安全衛生最新事情』の連載記事

2025.03.11 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第460回 冷凍食品製造工場事件 危険な作業の指導せず注意義務違反 神戸地裁姫路支部令和3年11月15日判決

Ⅰ 事件の概要  被告Y社は、冷凍食品などの製造・販売を主たる業務とする会社であり、原告Xは、本件事故までY社との間で16年間有期労働契約を締結してきた。Xは、Y社工場の2階の製麺部門で勤務しており、そこに箱盛機(本件機械)があり、その清掃を担当して、業務を行ってきた。その清掃方法は、Y社では清掃に関するマニュアルが定められており、また作……[続きを読む]

2025.02.26 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第459回 新潟市民病院事件 経験浅く相当重い心理的負荷と評価 新潟地裁令和4年3月25日判決

事件の概要  被告Y市は、市民病院(以下、「Y病院」という)を設置し運営する地方公共団体である。亡AはY病院で勤務しており後期研修医である。亡Aは、もともとは看護助手であったが、夫であった亡Bの勧めから医師を目指し、平成25年には国家試験に合格して研修医となり、平成27年4月から後期研修医としてY病院で勤務して消化器外科に配属されていた。……[続きを読む]

2025.02.12 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第458回 ニホンフラッシュ事件 転倒事故の再現困難でも予見可能 徳島地裁令和4年4月11日

Ⅰ 事件の概要  被告Y社は、住宅および住宅関連部品の製造および販売などを目的とする会社である。  被災者Aは、Y社の従業員であり合板の仕分け業務を行っていたが、平成30年11月21日、Y社の工場内のMSラインで木製合板を積んだ本件台車を同僚のBとともに移動させていたところ、本件台車が転倒し、本件台車と積荷の木製合板の下敷きになり死亡した……[続きを読む]

2025.01.28 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第457回 福生病院企業団事件 パワハラ注意せず安全配慮義務違反 東京地裁立川支部令和2年7月1日判決

Ⅰ 事件の概要  原告Xは、被告Y企業団の公立福生病院(以下、「本件病院」という)に勤務していた者であり、事件当時には本件病院の事務部の課長の地位にあった。Y企業団は、東京都福生市などで構成される地方公営企業法上の企業団であり、公立福生病院を設置運営している。以前は地方自治法上の一部事務組合であったが、令和2年4月に現在の組織、名称となっ……[続きを読む]

2025.01.10 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第456回 陸上自衛隊飛行班隊員自殺事件 日常的な暴言で慰謝料2000万円超 札幌地裁令和6年4月15日判決

Ⅰ 事件の概要  亡Aは、防衛大学校卒業後、平成28年4月に陸上自衛隊に入隊し、その後平成29年1月に陸上自衛隊第7師団第7飛行隊飛行班に配属された。亡Aは、航空操縦士として勤務していたが、上司であるB飛行班長から、数々のパワハラを受け、さらに、そのB班長は整備班長Cが不仲であって、両班長間の調整が行われることがなかったので、BとCとの間……[続きを読む]

ページトップ
 

ご利用いただけない機能です


ご利用いただけません。