『裁判例が語る安全衛生最新事情』の連載記事

2024.11.12 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第452回 上益城消防組合事件 異動前の不安へ対応せず予見可能 熊本地裁令和6年2月2日判決

Ⅰ 事件の概要  亡Aは、消防組合の職員で危険物係長を務めていたが、令和元年5月6日に自殺した。原告X1はその妻、X2はその長男である。  被告Y組合は、熊本県内の複数の町を構成町として、消防に関する事務を共同処理するために地方自治法284条2項により設置された一部事務組合である。  亡Aは、人事異動により平成31年4月2日からY組合の危……[続きを読む]

2024.10.29 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第451回 大阪建設アスベスト2陣、3陣事件② 市場占有率10%に合理性認める 大阪地裁令和5年6月30日判決

Ⅰ 事件の概要  原告らは、建設作業などに従事した際に石綿関連疾患にり患したと主張する者またはその承継人であり、180人超である。被告らは石綿含有建材(吹付け材を含むが外装材は除く)を製造・販売していたメーカー21社である。  この建設アスベスト訴訟については、最高裁が令和3年5月17日に、神奈川1陣、東京1陣、京都1陣、大阪1陣の判決を……[続きを読む]

2024.10.10 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第450回 大阪建設アスベスト2陣、3陣事件① ばく露はメーカーに想定し得た事態 大阪地裁令和5年6月30日判決

Ⅰ 事件の概要  原告らは、建設作業などに従事した際に石綿関連疾患にり患したと主張する者またはその承継人で、180人超に上る。被告らは石綿含有建材(吹付け材を含むが外装材は除く)を製造・販売していたメーカー21社。建設アスベスト訴訟については、最高裁が令和3年5月17日に、神奈川1陣、東京1陣、京都1陣、大阪1陣事件の判決を出した。さらに……[続きを読む]

2024.09.26 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第449回 府立高校教員事件 過労による適応障害で注意義務違反 大阪地裁令和4年6月28日判決

Ⅰ 事件の概要  原告Xは、Y府(大阪府)の設置・運営する高校の担当教諭として勤務しており、過重な業務により長時間労働を余儀なくされ、適応障害を発症したとして、国家賠償法1条1項または債務不履行(安全配慮義務違反)に基づき損害賠償請求をしたものである。  Xは、平成28年4月から府立A高校の教諭として1科目の副担任として授業をするとともに……[続きを読む]

2024.09.10 【安全スタッフ】
【裁判例が語る安全衛生最新事情】第448回 古河市過労自殺事件 業務量調整可能と認めず過失相殺否定 水戸地裁下妻支部令和6年2月14日判決

Ⅰ 事件の概要  原告Xは、被告Y市の教員であった亡Aの妻である。亡Aは、中学校の吹奏楽部の顧問であり、Xも吹奏楽部活動に関わっていた。  亡Aは平成29年2月にうつ病を発症し、同年2月24日には自殺に至った。  亡Aは、平成27年度、28年度と吹奏楽部の顧問をし、原告Xも、平成27年9月ごろから吹奏楽部の活動に関わっていた。  亡Aは、……[続きを読む]

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