『裁判例で読み解く!!企業の安全配慮義務』の連載記事

2021.12.16 【労働新聞】
【裁判例で読み解く!!企業の安全配慮義務】最終回 労働時間 厳密さ求めない事案も 割賃支払いと異なる考え/家永 勲

2つの概念が存在か  脳・心臓疾患等に関する労災認定基準においても、精神障害に関する労災認定基準においても、長時間にわたる時間外労働に代表される過重労働が、最も重要な要因として評価されていることは周知のとおりである。  ここでいう時間外労働時間数については、1週間当たり40時間を超えて労働した時間数であるとされており、「労働時間」について……[続きを読む]

2021.12.09 【労働新聞】
【裁判例で読み解く!!企業の安全配慮義務】第11回 過失相殺 基礎疾患の有無を加味 メンタルは不申告前提に/家永 勲

事業主の責任が限定  安全配慮義務違反に基づく損害賠償請求においては、事業主に安全配慮義務および過失がある場合には、被害者となった労働者への賠償義務が認められることになる。しかしながら、被害者となった労働者にも不注意などがあれば、過失相殺の規定が類推適用されることにより、事業主が負担すべき賠償責任の範囲が限定される場合がある。この点は、た……[続きを読む]

2021.12.02 【労働新聞】
【裁判例で読み解く!!企業の安全配慮義務】第10回 親会社の責任 信義則問われる可能性 体制や相談内容に応じて/家永 勲

法改正で状況は変化  複数の企業が相互に資本関係や関連を有するといった企業集団(以下「グループ会社」という)において、親会社は子会社の従業員に対して安全配慮義務責任を負うのであろうか。  このような事例のリーディングケースは、最高裁平成30年2月15日判決(イビデン事件)である。事案の概要としては、次のとおりである。事件の当事者となった企……[続きを読む]

2021.11.25 【労働新聞】
【裁判例で読み解く!!企業の安全配慮義務】第9回 健康状態の把握 管理を怠るとリスクに 「個人情報」は理由ならず/家永 勲

萎縮のし過ぎは危険  労働安全衛生法第66条は、事業主に対して、雇入れ時と1年以内ごとの健康診断を受診させる義務を定めている。これらの規定に掲げられた事項に関する健康診断のことは、法定健診と呼ばれ、掲げられていない事項についての健康診断は法定外健診などと呼ばれる。  健康診断結果の取扱いについては、病歴などのプライバシーにもかかわるため、……[続きを読む]

2021.11.18 【労働新聞】
【裁判例で読み解く!!企業の安全配慮義務】第8回 予見可能性 労働時間把握が必須に 措置義務違反は高リスク/家永 勲

立証責任は労働者側  労働者から安全配慮義務違反に基づき損害賠償請求を行う場合、労働者側に「使用者が安全配慮義務に違反したこと」について立証責任がある。そのため、労働者としては、「使用者が何をすべきであったのか」、「使用者が何をすれば損害が生じなかったのか」を具体的に検討して示さなければならないとされてきた。しかしながら、近時の有力な考え……[続きを読む]

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