『国土を脅かす地震と噴火』の連載記事

2019.06.20 【労働新聞】
【国土を脅かす地震と噴火】最終回 伊豆大島噴火 日本初の全住民島外避難/伊藤 和明

 伊豆大島火山は、歴史時代たびたび大噴火を繰り返してきた。山頂部には、径3キロ前後のまゆ型をした凹地のカルデラがあり、中央火口丘の三原山(758メートル)がそびえている。  1986年11月15日の午後5時25分ごろ、三原山の山頂火口から噴火が始まった。溶岩の噴泉を間欠的に噴き上げ、日が暮れると溶岩の火柱が赤々と夜空に映じ、みる人を魅了し……[続きを読む]

2019.06.13 【労働新聞】
【国土を脅かす地震と噴火】64 長野県西部地震 火山体崩壊の脅威を示す/伊藤 和明

 1984年(昭和59年)9月14日の午前8時48分、御嶽山の南麓に当たる長野県王滝村の直下を震源としてM6.8の大地震が発生した。震源の深さは約2キロと極めて浅い地震で、「長野県西部地震」と命名された。  地震の被害は王滝村に集中し、全壊14戸、半壊73戸、犠牲者29人を数えた。いずれも土砂崩れに巻き込まれたものである。この地域は、御嶽……[続きを読む]

2019.06.06 【労働新聞】
【国土を脅かす地震と噴火】63 日本海中部地震津波 遠足の小学生13人犠牲に/伊藤 和明

 1983年(昭和58年)5月26日、正午直前の11時59分、秋田県の沖合約8キロの海底で、M7.7の大地震が発生した。日本海の東縁、北米プレートとユーラシアプレートの境界で発生したこの地震は、「日本海中部地震」と名付けられている。  地震による津波が、北海道の南西岸から青森県、秋田県の沿岸を襲い、大災害をもたらした。津波の被害は、秋田県……[続きを読む]

2019.05.30 【労働新聞】
【国土を脅かす地震と噴火】62 新潟地震㊦ 埋立て地域に被害が集中/伊藤 和明

 新潟地震による災害を特徴付けたのは、石油タンク群の火災とともに、地盤の液状化による建築物や土木構造物などの被害であった。そのため、この地震による災害は、戦後の近代都市が初めて受けた震災と位置付けられたのである。  ただ、新潟地震当時は、“液状化現象”という言葉はまだ使われておらず、行政もマスコミも“流砂現象”などと称していた。新潟地震を……[続きを読む]

2019.05.23 【労働新聞】
【国土を脅かす地震と噴火】61 新潟地震㊤ 停電で消火装置作動せず/伊藤 和明

 1964年(昭和39年)6月16日午後1時1分、新潟市など日本海沿岸を大地震が襲った。震源は新潟市から北へ50キロほど離れた粟島の南の海底下で、震源域は南北約100キロに及んでいる。地震の規模はM7.5、震源の深さは34キロであった。  新潟地震の起きた64年は、10月に東京オリンピックが開催されることになっていた。このため、例年なら秋……[続きを読む]

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